13 :名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:37:24 ID:OYa5ZDHO 燃料投下。 深闇の夜があけ、空がうっすらと明るみを帯びてきた頃だった。 森林特有の冷え込みに目が覚めた私は、既に消えていた焚き火に目をやる。 次の任務の目的地に向けて、他のメンバー達と野宿をしているのだが…。 辺りを見渡すと1人足りない。 「…全く、あいつは…」 辺りの気配を探り、野宿場から少し離れた場所に足を運ぶと、何やらガザゴソと作業をしている者の姿が見えてきた。 「…あ!姉さーん!」 あの聞き慣れた人なつっこそうな声、そして駆け寄ってくる音。 「ヘレン…一言もなしに姿を消すような事はするんじゃない」 「あー、悪ぃ悪ぃ。 つか、そんな怖い目つきしないでくれよー。可愛い顔が台無しだぜ?」 「…お前というやつは…。 兎に角、以後慎むようにな」 「へーい」 …全く、反省の色があるのかないのか。 私は一気に肩の力が抜けてしまった。 ふと、肉の匂いが辺りに立ち込めている事に気付く。 彼女に目をやると、いつの間に狩ってきたのかはわからないが、木枝に差してこんがり焼いた兎肉を手に持っていた。 「それはどうしたんだ?」 「あ、これ?うまそうだろー。 姉さんの為に狩ったんだぜ。少食なのは分かってるけど、ちょっと味見してみてくれよ」 そう言うと、ヘレンは照れくさそうに笑うのだった。 「お前がそこまで言うのなら仕方ない。少し貰おうか…」 手に取ろうと手を伸ばすと、ヘレンはビッと手を出し、ストップの合図をした。 「ちょっと待った」 「ん?何だ?」 ヘレンはその持っている肉を少しかじり口に含むと、じーっと上目遣いでこちらを見てくる。 「…どうしたんだ?」 恐る恐る聞いてみたが、ゆっくりと近付いてくるだけで何も言わない。 …何だかいつもと違い、様子がおかしい。 危険を察してか、無意識に後退りしていく私。 だが、背中が何かにコツっと当たる音がした。 後ろを振り返ると大きな樹木が行く手を阻んでいる。 14 :名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:40:23 ID:OYa5ZDHO 「…姉さん、食わしてやるよ」 そう言うや否や、私にもたれ掛かり大木に押し付けると、顔を近付けてきた。 「んっ…!」 唇と唇が触れる。 私の頬に両手を添え、優しく包み込むヘレン。 舌を使って、その行為を味わうかの如く口移してゆく。 肉の旨味とヘレンの匂いが同時に口中に入ってくる…。 ちゅぱ… 「…ん…っふ…」 時々ヘレンの舌が口中をくすぐる。 その度に、おかしくなるような快感が私を襲うのだった。 唇が離れると、うっすら光る唾液が糸を引き、私とヘレンを繋いでいた。 口の中に入れられた肉欠片は砕かれてはいた。 だがそのまま丸呑みしてしまい、詰まりそうになって自分の胸元をどんと叩く。 「っはぁ…へ、ヘレン…?」 口に着いた唾液を舌で舐めとると、食い入るような目でこっちを見るヘレン。 荒くなった息が顔にかかる。 覗き込むと、ヘレンの顔はうっすら赤く染まっていた。 「…ごめん姉さん。でも、もう限界なんだ。我慢できない」 「な、何の話だ?」 「2人きりになれるとしたら、早起きしてワザと抜けるしかなかったんだ。 姉さんの事だから、来てくれると思って…」 「だから、一体何の…」 「…分かるだろ?」 目にうっすら涙を溜めて私を見つめてくる。 その唇は震えていて、歯がガチガチと音を鳴らす。 「…姉さんの事、…すっ、好きなんだよ」 15 :名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:43:25 ID:OYa5ZDHO 「ヘレン…。その…」 こんな所で告白だというのか。 …一体、どう答えたらいいんだ…。 私は返答に困ってしまった。 「嫌だ、私のものになってよ…姉さん…っ。…やっぱりあのガラテアがいいの? 止めた方がいいよあんな女たらしな奴…」 今にも泣きそうな声でまくし立てるように私に言うのだった。 「ガラテア…?何の事だ?」 「そ、それは…」 口ごもるヘレン。 「…怪我で休んでる姉さんの部屋に入ってくガラテアの姿を見たんだよ。 介抱とか言ってたけど、絶対姉さんに何かしやがったと思って…あたし…」 ヘレンの目からポロポロと涙が零れ落ちる。 「…(あの時の事か。何もしてないと言えば、嘘にはなるな…;)」 「その事もだけど、戦いで傷ついた姉さんに何も出来なかったのが悔しかったんだ…」 「ヘレン…」 私は知らず知らずの内に手を伸ばし、ヘレンをぎゅっと抱き締めていた。 「姉さ…っ」 「…分かった、ありがとう。だからもう泣くな…」 「姉さあぁん!っく…うわあぁあっ」 ヘレンは私の胸に顔を埋めて益々泣きじゃくるのだった。 鳥の囀りが聞こえる。 辺りはすっかり明るくなっていた。 もう仲間の所に戻らないといけない時間だ。 落ち着きを取り戻したヘレンを見て、私は頭を撫でながら声をかけた。 「ヘレン、そろそろ行こう。…仲間が心配する」 「…あぁ」 頷いたものの、残念そうな顔をしている。 「そんな顔をするんじゃない。…可愛い顔が台無しじゃないか」 「ちょっ…あたしの言った台詞を姉さんが言うなよー!」 そう言いながらも、嬉しそうに笑うヘレンだった。 エンド 16 :名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 00:45:35 ID:OYa5ZDHO 今のミリアとヘレンのやり取りを盗み見る不届き者がいた…。 「…ふん、ナンバー22だったか。なかなかやってくれるじゃないか」 遠く離れた山頂から、腕を組みマントをはためかすナンバー3・ガラテアだった。 「少しでも目を離すとこれだ…要チェックだな。 しかし、あのヘレンとかいう輩…」 「私を女たらしだと抜かしたな」 ゴゴゴゴゴ… 異様な気配にざわざわと森が揺らめく。 「しかしまだまだひよっこ。私があの場に居たら、連れ込んで即○×△だ…くっくっく」 不気味な笑みを浮かべつつ、ミリア(達)の姿を見守るガラテアだった。 この時、ミリアの背筋にただならぬ悪寒が走ったのは言うまでもない。 THE END ミリ「…まるで変態ストーカーだな」 ガラ「失礼な。見守るガラテアだと書いてあるだろう?」 ヘレ「やーい変態!!ガラテアのへんた……げっ!?」 ガラ「ガガガガッ」 命掛けの追いかけっこは続く… 20 :名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 00:10:51 ID:hDIDfmF6 ありがとう!!(;ω;) エロパロなのに、エロくなくてすまない… 個人的にも鬼畜とか濃厚なのを見たいのだが…自分の力ではどうすることも出来ずorz そして、肉の使い方を間違ったと後で思った。 ヘレン「姉さん、兎喰って♪はい、あーん…」 ミリア「ん?あーん」 ぱくっ ミリア「…んぐ、なかなかいけふじゃないか(もぐもぐ)」 ヘレン「マジ?!よかった!…でもさ、あたしはもっとうまいよ? なんちゃって♪(ひょー!い、言っちゃったよ///)」 ミリア「ほぅ…では頂こうか」 ヘレン「えええっっ!?ちょっ、姉さ……っ!あっ…(イイヨイイヨー(;´Д`)ハァハァ)」 職人さん、お願いします… 29 :名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:56:58 ID:0MnYqARt 突然イレー姐が現れた!! テレサ「よぉ…久しぶりだな。つーかこんな遅くに何の用だ?眠いんだけど」 イレ姐「…組織からの命令でな。お前を寝取りにきた」 テレサ「ぶっ!!お前そんな事頼まれたの?wつーかできるのか?お前にw」 イレ姐「…ふん、大口叩けるのも今のうちだ」 イレー姐は妖気を解放し始めた! イレ姐「くらえ、高速剣っ!!」 ガガガガガガ… イレー姐の姿が変貌してゆく! テレ「…何だ?妖気が一点に集中されている…!」 テレサは身構えている! イレー姐は瞬間移動を唱えた! テレサは抵抗出来ず簡単に押し倒された! イレ姐「ふ…どうした?微笑のテレサともあろう者が…」 テレ「ぐっ…」 イレー姐は高速剣(舌)を使用した! 無数に見える高速舌がテレサを舐め尽くす! テレサの顔が歪んだ! テレ「んっ…あっ…」 テレサの頬が微かに赤くなる! びきっ イレ姐「…むっ…?」 突然イレー姐に異変が起き始めた! イレ姐「くっ…しまった…限界点を見落としたか?せ、制御がっ…っあ…」 テレ「…ん?」 イレ姐「あっ…はぁっ!!」 イレー姐は体を捩らせ始めた! テレ「……じーっ(え、何かわからんけど、儲け儲け♪)」 イレ姐「んっ…あぁっ」 テレ「…っ(えっ、なんかイレー姐エロい…)」 テレサも興奮し始めた! イレ姐「あっあ…んっテ、テレサ、っあぁ!いっ!!んああぁああああっ!!!」 テレ「……ごくっ、はぁはぁ…(…ちょ、名前呼ぶなって…)」 30 :名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:59:16 ID:0MnYqARt イレー姐は元の姿に戻った! イレ姐「…はぁっはぁっ…し、しまった!自分がうっかり…///」 テレ「…。お前、顔に似合わずいいイキっぷりだな…見直したぞ」 イレ姐「…そ、そうか?///」 テレサは何もせずにイレー姐をイカせた。 《YOU WIN!!》 2人のレベルがあがった! イレー姐のうっかりが65上がった! イレー姐の感度が35上がった! イレー姐のひんぬーが1下がった! テレサのツッコミが28下がった! テレサの思わせぶりが5上がった! テレサの褒めるが20上がった! イレー姐のその気になるが12上がった! 2人の親密度が「トゲトゲしい」から「ちょっと気が合うかも」に進化した!! テレ「…で、このノリでいくと当然仲間に入る、だろ?」 イレ姐「な、何の事だ?」 テレ「もー。つーかさっきの見てるだけってのが我慢できなくてw」 テレサの先制攻撃! がばちょっ イレー姐は動けなくなった! テレ「リプレイおねw」 イレ姐「ちょっ、まっ!!私は寝取られに来たんじゃないんだーっ!」 《GAME OVER》 39 :名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:53:15 ID:84YMR4Wb 鳥の囀りが聞こえる。 心地いい風が私と少女の間を通り抜ける。 「クレア、お腹空かないか?」 「うん、平気」 私の問い掛けに、クレアはにっこりと微笑みを返すのだった。 …今まで何度も同じような道を通ってきた筈なのに、どうしてこうも心が満たされるんだろう。 見るもの全てが新鮮にも感じられる。 …それはクレアが、樹木の根元からひょっこり顔を出している小さな花や、餌の取り合いなんかしている動物にいちいち反応して、私に面白いね可愛いねと言ってくるからだと思う。 それまでは対して気に止めて見る事さえなかったのに… クレアも今までロクに外を出た事がない分、何もかもが目新しいのかもしれない。 「さぁ、見えてきたぞ。新しい街だ」 「わぁ…」 クレアは目を大きく見開いて、この壮大に広がる街の光景に目をキラキラ輝かせた。 「暫くここでゆっくりしよう」 「うん!」 繋いでいた手に自然と力が入る。 「いらっしゃい、何にするかね?」 まずは腹ごしらえとばかりにいい匂いの漂う料理店に入った。 お昼時を過ぎた頃、客がまばらに居る程度だった。 「先にメニューだけもらおうか」 「あいよ」 「さぁ、クレア。好きなものを食え」 「え、…いいの?テレサは?」 「私は水でいい」 「えっ!じゃあ私も水にする」 「おいおい。お前は食べていいんだぞ。前にも言ったが、私は至極少食でも生活出来る体なんだ。 そんなにいらないんだよ」 「でも…」 ぐぎゅるるる… 「…あ;」 「…ったく。じゃあ、こうしよう。 お前が色々注文したものを少しずつ私に分けてくれ。それでいいか? 金はいくらでもあるから、遠慮せずにたらふく食べるんだ」 それからのクレアの行動は早かった。 呼び止めたウエイトレスに、食べたい品をスラスラと言付ける。 オムライスにスープにラム肉のソテー・サラダのセット。 食後にシャーベットとケーキのご注文だ。 40 :名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:58:29 ID:84YMR4Wb すぐさまやってきた料理に目をやると、クレアはとても満足げな表情をしてみせた。 良く見ると、口からヨダレが少し出ている。 …平気と言っていたけど、よっぽどお腹が減ってたんだな。 「はいテレサ、あーん」 「ん?あーん…」 真っ先にオムライスをスプーンで掬ったかと思うと、自分ではなく私の口に入れてくれた。 「…おいしい?」 「うん、なかなかいけるぞ」 「!良かった^^」 「さ、私はもういいから。クレア、食べろ」 「うん、いただきま〜す」 あんまりがっついて食べるもんだから、口周りをケチャップやらご飯粒だらけにしている。 それが何だかとても面白く思えて、思わず声に出して笑った。 すると、顔を少し赤くして照れ笑いをするクレア。 互いに顔を見合わせ、また笑うのだった。 楽しいご飯を済ませた後、暫く滞在するために早めに宿屋を探す。 出た店からそう離れてない場所にあったので、 ヘトヘトに疲れてるであろうクレアをあまり歩かせずに済んで良かった。 41 :名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 02:03:31 ID:84YMR4Wb 寝室に入るなり、クレアは倒れるようにしてベッドに横になった。 まだ小さい体で連日野宿をしていれば無理もないな。 「ふぅ…」 「疲れたろ、ゆっくり休め」 「うん…。テレサ、あのね」 「何だ?」 「テレサも、こっち来て」 「ん?」 言われた通りにクレアのベッドの横に座る。 その場で体を起こすクレア。 …何やら俯いてもじもじしてる。 「どうした?」 「えっとね…。その…」 うまく言葉が紡ぎ出せないのか、それとも言うのを躊躇っているのか。 クレアはなかなか次を言おうとしない。 「何なんだ?」 「…えっと…ね。」 下を向いたままちょっと顔を赤らめている。 そうしてようやく言った言葉はこうだった。 「ぎゅって…してほしいの」 クレアは肩を竦ませ、ちらりとこちらを見た。 「なんだ、遠慮せず言えばいいんだ。…ほら」 様子を伺っているクレアをそっと引き寄せ、その小さな体を包み込むように抱きしめた。 温もりが伝わってくる。 心臓の音も、呼吸をする声も、安堵した顔も。 …私に気を使って、甘えたいのを我慢してたのか。 「…ん…」 「…落ちついたか?」 「……テレサ、あったかい…」 「…ふふ…そうか」 サラサラ髪の頭を撫でる。 背中を少しさすってやる。 心地いいのか私の胸に顔を埋めると、クレアはそのままスースーと寝息を立て始めた。 42 :名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 02:06:02 ID:84YMR4Wb 「……」 暫く私は流れるまま、この温もりに浸っていた。 愛しい。 …自然とそんな言葉が浮かんでくる。 クレアと居ると、微動だにしなかった心が揺り動かされる。 何でもないような事が、特別なもののように感じさせられる。 遠い昔に放置し、それが何かさえ忘れてしまったもの… これが、幸福というやつなのかもしれない。 クレアを横に寝かせ、私もそのまま同じベッドに横になった。 気持ち良さそうに深い眠りにつくクレアの顔を眺める。 「…お前に逢えてよかったよ」 そっと頬に口付けると、そのままクレアを抱きしめ…私は目を閉じた。 伝わってくるぬくもりに、自分も抱きしめられながら。 終わり